『ソウルの怒れる飲食店主たち。-2004年11月のソウル観光日記。その9』ジュリアス・スージーさんの日記

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Eat for health,performance and esthetic

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ジュリアス・スージー (男性・東京都)

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ソウルを歩くぼくは目移りするほどたのしいけれど、他方、こんなに食堂が多くてよくやっていけるもんだ、と、他人事ながら心配にもなる。なにしろくいもんやが多い。やたらと多い。むしょうに多い。たしかに韓国の人は、よく食べ、まるで四六時中食べているようだけれど、それにしたって、食堂の数はあまりに多く、しかも繁華街には屋台まであふれかえっている。韓国全体でいったいどのくらい食堂があるかかっていうと、なんと、全国44万とも60万とも言われている。そして飲食業で生計を立てている人口は300万人なのだそうな。 韓国の人口は、4500万人だと言うのに。





「釜の蓋を投げる私たちの心情を、天と地は知っているのに、政府当局はなぜ知らないのか!」 司会者は叫ぶ、そして、集まった三万人の飲食店主たちが、いっせいに鍋、釜を放り込み、はげしい金属音が響きわたる。『朝鮮日報』に拠ると、今月2日に、ソウルの汝矣島(ヨイド)の、漢江(ハンガン)市民公園で、飲食関係者たちのそんなデモンストレーションがあったそうな。そう、案の定、舞台裏は、不景気でたいへんらしい。


飲食業中央会の発表に拠ると、「今年に入ってから9月まで食堂5万1971店が新しくオープンしたものの、しかし15万7779店が廃業した」そうな。どうやら、1997年の通貨危機の直後に、リストラに拠って転業した人たちが飲食店をやるようになったことも、過当競争の原因だそうな。


『朝鮮日報』は、記事を次のように結ぶ。「中央会が延命策として政府に提示した要求は、税金減免、飲食業の国家基幹産業指定や緊急災難業種指定などだが、不況が打開されない限り、危機は克服できないということは中央会側も承知の上だ」・・・そりゃ、そうだよなぁ。ただし、きっと危機の克服以前に、いてもたってもいられなかったんだろうなぁ。


漢江、それはソウルのセーヌにも喩えられる、広く、堂々たる、すばらしい河だ。あのそばの公園に、怒れる飲食店主がつめかけ、鍋、釜をぶん投げて、叫んだのか。「釜の蓋を投げる私たちの心情を、天と地は知っているのに、政府当局はなぜ知らないのか!」こういうときに、天 と 地 が出てくるところが、なかなか韓国っぽい。





韓国の人たちは結婚するとき、スッカラ(スプーン)とチョッカラ(箸)を新調する習慣があるそうな。なるほど、ともに暮らし、ともに生きるということは、ともにめしを喰うということだ。そして生きるということは、たいへんな仕事である。ましてや、めしを売って、めしを喰う仕事、人口は4500万人の韓国に、飲食店労働者300万人がひしめきあっているのである。あぁ、ぼくがにこにこうれしがってうろつきまわったソウルの食堂では、なんとサヴァイヴァル戦争が勃発していたのだった。



https://www.doom.now.cc/rvwr/000436613/diarydtl/170204/へ続く。
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