家常菜の話をしよう。北京在住の友人は、朝陽区光華東路にある、北京小王府というお店にぼくを連れて行ってくれた。表通りを折れると、すぐその店の別棟調理場があった、奥で炎が燃えている、北京ダックを焼いているのだ。
店に入ると、いかにもファンの多い店の活気が感じられた。北京小王府は、家常菜をショルダーに掲げながら、ただし厳密には北京のみならず、中国各地の料理を上手にまとめ、メニューを構成しているようだ。
われわれはまず、ドライ梅干をあたたかい紹興酒に入れて、いただいた。(洒落てるでしょ。)そしてざっと以下の料理をいただいた。
生キクラゲとネギとチャンツァイの和え物。軽くトンガラシの香りを移したオイルでまとめてある。
土豆細(フドスー)・・・さらしたじゃがいもの千切りを、トンガラシと黒酢で炒めてあるもの。炒めてあるのに、茹でてあるような食感。こういう料理がうまいんだから、信頼感が生まれるというものだ。
魚香茄子。ユンシャンチエズーパオ。茄子がふわふわのリンゴのように炒めてある。
北京ダック。薄餅を皮に、細切りのキューリを挟んで、パリッと焼き上げられた脂ののった皮と、その内側の肉を食べる。実に、うまい。
ピータン。
イカの卵巣の(酸っぱ辛い)スープ。緑豆春雨入り。
トンガラシとピーマンの炒めもの。
インゲンの炒めもの。
かろやかなメニュー構成ながら、とてもおいしかった。そこには「ふだん料理」の底力が息づいていた。いや、それだけは褒めたりない、そう、そこには極めて高い調理技術が、平凡な食材をもちいても、それを輝くばかりのうまい、すばらしい料理に変身させていた。
幸福(シンフー)!
感謝(カンシエ)!
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