『クールなホンデでダンス、ダンス、ダンス。-2004年11月のソウル観光日記。その7』ジュリアス・スージーさんの日記

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ジュリアス・スージー (男性・東京都)

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そうなんだ、いま、韓国でいっちゃんクールな街と言われているのは、弘大(Hongdae ホンデ)なんだ。こりゃチェキでしょ、とばかりにぼくはでかけたんだ、いつものように若ぶってな。


地下鉄弘大駅地下には本屋があったから、ぼくは入ってみた。ま、ほとんどが韓国語の本だから読めないんだけどさ。中央部の棚には、さまざまな本にまじって、よしもとばななの『キッチン』や、江國香織の韓国語版も並んでいた。むかしのような海賊版ではなく、ちゃんと著作権をとってある正規版である。


ぼくは英語版のガイドブックをほしかったので訊ねたら、それは置いてなかった。ついでに、店員の女の子と英語で立ち話をしたところ、彼女は、日本の作家では村上春樹が好き、なんて言っていた。そこでおれは挨拶がわりに彼女にしゃべったんだ、日本じゃね、この秋かれの新作中編がリリースされてね、それは、渋谷を舞台にした若い男と若い女の一晩を描いた、ちょっとミステリー・タッチの作品なんだ・・・とかなんとかね。書店員の韓国ガールは、黒い目をパッチリ開いて、興味しんしん。いやぁ、ハルキ・ムラカーミ、人気あるんだねぇ。後に知ったことには弘大にはアート系の大学があるそうな。


ついでながらインチョン空港のちいさな本屋では売り上げ1位はなんと韓国語訳の『ダ・ヴィンチ・コード 』だった。





夜の弘大は、まぶしく輝いていたよ。カフェバーがある、カラオケがある、クラブがある、ボディショップがある、ランジェリーショップがある。ちょっとひっこんだ公園では、ターンテーブルを廻しているやつがいる。街全体がイキイキしてるんだ。だいたいソウルの街では、あんまり、ヘソピ系女子とか、ワナビー系ジャージな「ヘイ、メ~ン」男子も見かけなかったけど、しかし、ここ弘大にはいたよ、いた、いた。いっぱいね。


そしてその弘大には、回転寿司屋もあったんだ。ぼくは、さっそく入ってみたよ。しかも場所はクラブの隣だ。回転寿司屋の名前は、GARO それがまた日本語の画廊から来てるっていうから驚きだ。壁には、韓国の人気マンガの絵が、いくつも貼ってあったよ。松本大洋ふうだったりしてね。きっと、影響を与えてるのかもしれないね。


さて、この回転寿司屋、カンジンのネタはどうかって言うと、残念ながらほとんどマズかったし、へんてこりん。しかも前回紹介したキュートな巻き寿司みたいなセンスはかけらもなかった。ただし、マグロのトロだけはうまかったよ、値段は500円。ま、ちゃんと鮨を喰いたかったら、ちゃんとした店へ行けばいいこと。それらしい店は、地下鉄市慶駅から南大門のあたりにかけて、いくつか見かけた。ぼくは入らなかったけれど。





さて、ダンサーのぼくはマグロだけうまかった回転寿司屋を後にして、弘大のクラブ・シーンものぞいてみた。今回入ったのは、dd っていう店、ヒップホップ系っていうふれこみだったから、いったいどんな感じだろうとおもって入ったら・・・。


フロアは無造作に木で、バー・カウンターがしつらえてあって、なんだか学祭みたいな店だったよ。ま、考えてみたら、ロンドンのクラブなんかもつくりは雑な店の方が主流。東京ががんばりすぎなんだ。


そこに20代前半の男や女が集まって、わさわさ踊ってるんだ。みんな気だてが良くってさ。丸山町のクラブみたいな、とりすましたふんいきとは大違い。ま、そのぶんダンスもちょっと素朴なんだけどさ。いや、なかにはちゃんとうまい子もいたけれど。


さて、円山町のクラブではまったく目立たないぼくだけれど、弘大のクラブでは、マジで人気者だったよ。かんたんなサイド・ステップやウォーキングと、雑なロッキングで、あんなによろこんでもらえるとはおもわなかった。ぼくは、うれしかったよ。ちょっと軽薄そうな笑顔が似合う背の高い男の子ともにこにこしながら絡んだし、ダンス上手の女の子とも、シャイな女の子とも、ときには手を取り合って踊ったんだ。そしておれは、さんざんたのしんで、ぐっしょり汗をかいた長袖Tシャツの上に、上着を羽織って、外へ出た。ぼくは冷たい夜風に吹かれた。ぼくはくしゃみを繰り返し、ホンデの明るい夜に、ぼくのくしゃみが響いた。


https://www.doom.now.cc/rvwr/000436613/diarydtl/170202/へ続く。
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