レビュアーの皆様一人ひとりが対象期間に訪れ心に残ったレストランを、
1位から10位までランキング付けした「マイ★ベストレストラン」を公開中!
2位
1回
2015/07訪問 2015/08/06
〈2015年7月再訪〉
先月の衝撃的なつゆの味が忘れられず、都内の蕎麦屋に
よく付き合ってくれる親友にも、此方の蕎麦を味わって
欲しいと思い来店。
細切り蕎麦の精密さや水切り具合も絶妙、今回は温かい
にしん蕎麦やカレー南蛮蕎麦も注文したが、カレー南蛮
がこんなに上品で、出汁が後から追いかけて来るようだ。
だんだん癖になり、最後の一滴までも残したくない。
6〜7種類ぐらいの蕎麦を頂いて、どれもとても素晴らし
く、全ての評価を見直した。
〈2015年6月〉
つゆ作りは感覚あってこその仕事なので、人が変われば
同じものは作れない。この味は一代で終わりだと話す、
池之端薮蕎麦で修行をされた店主。蕎麦は上質な材料と
一通りの技術さえあれば誰でもうまく打てるが、つゆは
そんな簡単なものではなく、それほど奥深いと。
それはつゆを口にすれば、驚くほど滋味。鰹の上質な香
りと風味が立ち過ぎることなく拡がって、すべての味わ
いが一体化されているのである。
冷たい蕎麦は辛汁、温かい蕎麦には甘汁を使い、作り方
も異なるが、どちらも最後の一滴まで飲み干してしまう
ほど秀逸。手挽き蕎麦、ざる蕎麦、花巻蕎麦、にしんの
冷たい蕎麦とどれも比べられない美味しさ。にしんと冷
たい出汁のバランスも完璧、見た目も美しく、わざわざ
足を運びたい素晴らしい蕎麦屋である。
3位
1回
2015/05訪問 2015/05/27
〈2015年5月再訪〉
実に2年以上空いてしまった。
やはり此方は真に素晴らしい。
完成されたものはさびない。
本物はぶれない。
鱧とじゅん菜のお椀を口にした時、完璧という言葉の意味を知った。
〈2013年2月〉
東京には、一見お断りのお店が多い。
それは、美味しい料理を作るには手間暇かかる為、究極のサービスを追求するからこそだったり、
拍をつけるために敢えてそうしているところもあるのだろう。
今の私には、一見も大丈夫なお店で、予約を何日も待ち続けることしかできない。
運良く、休みの日に予約が取れた。
お店に入ると先客が一組。
私たちが食事を始めてから15分ほどで帰ったので、カウンターは私たち以外は誰もいなくなった。
ということで、お料理の写真撮影の許可が下りた。
■蛤とうどのお椀(これだけ写真取れず)
蛤本来の味が引き出ていて、うどとの相性がとても良く風味と香りが驚くほど上品。
無類の貝好きな私には本当に感動だった。
■鰻の蒸し寿司
錦糸卵の下に鰻の風味がとても良い一品。
■ふぐの白子
焼物の白子より白子独特の味を最後に引き出す組み合わせが素晴らしい。
■赤座海老
身がぎっしり詰まったぷりぷりで香ばしい赤座海老はお尻から最後に味噌の部分まで絶品。
■丹波の黒豆と青森産の蒸し鮑
美しすぎる漆黒。身がふっくらして艶やかな丹波の黒豆は見る人を魅了する。その姿からして
言うまでもない味わい。鮑が刺身以外で美味しいと思ったのは初めて。
■ぐじ
身が柔らかくて痛み易いぐじは、繊細な調理を要する。ここのぐじは鱗が香ばしく、身もほくほく。
■海老芋揚げ
ここの名物。揚げたとは思えないほどの軽やかさなのに、海老芋の後を引く品の良い甘さ。
■ふぐの雑炊
ふぐの旨みが際立つ優しい味わい。
■葛餅
食事をスタートしたときから長い時間をかけ、丁寧に転がしながら焼き上げていた葛餅は甘さ控え目。
もちもちした食感も楽しめる一品。
■ちりめん山椒のおみやげ
次の日、炊きたての白米にのせて頂いた。身のふっくらしたちりめんと山椒のバランスが見事。
昨夜の記憶が蘇る。
戸村さんは、いかに料理の味を最大限に生かすことが出来るかという探究心が素晴らしくて、
経験してきたことや、一つの食材についての思いなどを私たちに話してくださった。
人は皆、自分の育った環境で味覚や味わい方が違ってくるのだと思う。
私は、素材の味を最大限に生かすのが、一番最高の味わい方だと教えられて育った。
今日ここで命の恵みを感じる料理と出会い、黒豆を黒艶やかに煮るために何年も何年も試行錯誤、
いまは殆ど取れない深海魚「メヌケ」という魚を煮るのに、一秒も目を離さず真剣勝負そのもの
で挑んでいた母の姿を思い出した。
いつか一見お断りのお店にも行ける日が訪れるだろうか。
渡されたお土産を持ち、帰路に就く私はとても幸せな気持ちだった。
4位
1回
2016/12訪問 2016/12/16
〈2016年12月再訪〉
今年一番通ったお鮨屋。新規鮨開拓も少し疲れて、気兼
ねなく行けるお店が身近になる今日この頃。
〈2015年12月再訪〉
好きなお店、行きつけのお店を聞かれたら、パッと口に
出来るお店は案外少ない。とかみさんは佐藤さんの独特
の雰囲気と、いつの間にかリラックスできる空間が心地
良い。
お昼も楽しく、ネタも殆ど変わらない。鮪の巻物スタート
でなく、摘みも殆ど出ないところが異なる点だろうか。鮪
の安定感が出ると、更に人気店になるのだろう。
〈2015年7月〉
カウンターに段差があまりないので、
お客との距離が近く、手元がよく見え、一体感がある。
それが此方の心地良さではないかと思う。
着いてすぐ、シャンパンで乾杯した後、幸村で頂いて
から気に入っている、「あさつゆ」という白ワインが
あったので、お鮨と合わせて頂いたら、邪魔をしなく
てやはり良かった。
噂には聞いていたが、赤酢を扱う寿司屋の中でも、特に
個性的なにぎり。口に入れ、酸味が強いかなと思いきや、
次第にネタと馴染んで、もっと欲しいと思う。それが、
私が酔っ払う前に感じたとかみさんの鮨の印象である。
佐藤さんとの会話も楽しく、ここはちょくちょく伺いた
いお店である。
5位
1回
2015/12訪問 2015/12/17
昨年末、松川さんへ行くという目標を定めた。
その誓いに、本日ご一緒して頂いた方にご予約を取って頂き、
静かで感慨深い時間を過ごした。
私が日本料理から五感で感じたいのは、季節の恵みから厳選
された食材ではなく、出汁。河豚の白子と雲丹、間人蟹のお
椀、からすみ餅みぞれ椀、海老芋のお料理から頂いた、あら
ゆる出汁。これだけ優れた食材本来の味わいを熟知し、思考
錯誤されて来たからこそ辿り着いた哲学。極みと仰る方が後
を絶たないのも納得である。
つい先日、妹が某有名日本料理店に訪問し、感想を聞いたと
ころ、「出汁に雑味があっていまいち」と返ってきた。日本
料理の根源は紛れもなく出汁であり、それが料理全てを支配
する。
今年1年間、お会いした全ての方に敬意を、出会った全ての
お料理に感謝を。
6位
1回
2015/08訪問 2016/12/16
暑い季節には、身体が、寿司とタイ料理を欲する。
久々の日本料理で、四季折々の恵みの素晴らしさを改めて感じた。
縁のある赤坂。学生の頃からよく来ていた赤坂は、私にとって「魅惑の街」。
此方は、会員制のクラブばかり入っているフロアの一角に在る。それがまた
期待をさせる。
噂以上のサービスとコスパ、温かいおもてなし。季節毎に訪れたいお店となった。
夏らしい色鮮やかなおひたしは枝豆もとうもろこしも甘みがあって上品なおひたし。
キスを結び、瓜と玉子豆腐を合わせたお椀は、出汁はさることながら、玉子豆腐が
とても美味しい。写真、手前の鱧は焼いたものだが、これが私の中で大ヒットだった。
鮎を惜しげもなく3種類も頂き、オイル漬はワインやチーズが欲しくなる一品。鮎、鱧
と夏の食材に、まさか黒毛和牛が出て来るとは思わず、一口サイズのお肉が口の中で
スルッと蕩けて、新しいお口直しのようなポジションだった。くろぎのランチの鯛茶漬
の味付けは、私には濃すぎるのだが、此方の穴子茶漬けは優しい味わいで、いくらでも
食べれてしまう。
写真以外に、青唐辛子やデザートで桃を頂いている。日本酒も2人で6~7合は飲んでい
るのだが、一人21000円でこのストーリーは、満足度を超越している。
7位
1回
2015/06訪問 2015/06/27
月、火、水は定休日。
私の休みは今のところだいたい火、水。
ここに来る為だけに、強引に木曜日休みに。
30分前に着いたのに、それよりも前から並
んでいる人が5人。ここの虜になっている人
だと察した。
更に店内で20分程待ち、口に含んだ瞬間、
どこかと似た感覚を思い出した。トマトの
カレーに似ているのだ。味そのものではな
く、奥行きと深みのある感じが温かさを憶
える。このカレーを仕込むのに、月、火、
水を費やすのがよく分かった。
ネパール山椒が、マトン挽肉との絶妙な相
性であること、ナスのマスタードピクルス
が美味し過ぎること、デザートにも手抜き
がないこと。いちいち美味しくて…これは
恋に近い。
8位
1回
2016/09訪問 2016/12/27
〈2016年9月再訪〉
当日予約しても必ず入れた、今年一番通ったお店が予約なしでは
入れなくなっている。新鮮で美味しいお刺身と、比内地鶏をつま
みながら、最後にしっかり親子丼を食べるいつものコースがなか
なか叶わなくなった。今日は40分だけお邪魔し、念願の親子丼を
掻き込んだ。
〈2015年4月〉
比内地鶏は、薩摩地鶏、名古屋コーチンと並ぶ日本三大美味鶏の
一つとして全国に知られている。
鶏肉好きの私は、今まで鶏肉ブランド等気にもしなかったのだが、
比内地鶏は比較的脂肪が少なく、淡白だけれども美味で、親子丼
にとても適している。
それを初めて感じたお店が当店である。オープン当初から知り合
いに連れて来て頂き、今まで食べた元々小柄な比内地鶏より存在
感のある立派な比内地鶏のつくねがとても印象的だった。
当店は若干目立たない場所にあるので、殆どが常連。人柄とサー
ビスに優れたご夫婦で運営しているので、滅多に飲めない日本酒
も試飲してから注文することも出来る。日本酒の毎回異なる品揃
えも目を見張るものがある。
時にはご主人が釣って来られた鯵を刺身で頂いたり。
今回の身の肥えたあさりや、鮮度抜群の白ミル貝は、味わい深く、
寿司屋顔負けの一品と言っても過言ではない。
9位
1回
2015/05訪問 2015/07/01
私は此方をとても気に入っている。
ご主人は初めての予約をして伺った時から、予約した人の
名前をちゃんと呼んで下さる。そしてこの食べ方で召し上
がってくださいと、ひとつひとつ丁寧に教えて下さる。
私が営業で心掛けている事が、お客様の名前をしっかり覚え
てちゃんと呼ぶということ。何らたいしたことではないが、
自分がその人に憶えてもらえることは、嬉しいことだと日々
感じるのである。昨夜も同じ体験をして改めて思った。
それに加えて横田さんはエンターテイナーである。バカール
はもう営業していないが、金山さんのように会いたくなるご
主人である。
そんな横田さんが揚げる天ぷらは、上品でとてもおいしい。
ほたてや墨烏賊などの火入れ具合はわたしにとって最高で、
何度もお代わりしたいぐらい。
ここへ来ると、帰りの記憶が定かでない。
10位
1回
2015/02訪問 2015/10/27
ひと通り口にして思った、
これ以上の中華料理は存在しないと。
脳が、未だ感じたことのない記憶を呼び覚ますかの
ような出会い、そんな感覚だった。
satotsujiさんが主催して下さる、毎回素晴らしい
『趙楊の会』は、写真を拝見するだけでドキドキして
いた。食通の方々ばかりの会にお招き頂き、出遅れた
私には夢のような短い一時。
美しい春の前菜を一皿毎見ることは出来なかったが、
則天武后の壺料理も取り分けた後だったが、全て同じ
主張のない前菜、豚や角煮、泡菜、冬菜を殺すことの
ない上品なスープ。キャベツの唐辛子炒めという、
とてもシンプルな料理さえ、滋味である。挽肉ソース
やまこもだけの辛味炒めも一寸の狂いなし。極めつけ
は紹興酒で煮込み、塩と胡椒だけで味付けした魚蒸し
鍋。
私の生涯、この感覚を憶えられる日は、あと何回来る
のだろう…。
〈2016年8月再訪〉
季節を謳歌する為の舞台、初音鮨。
今や、お家に帰って来たかのようなホッとする空間に。
〈2015年10月再訪〉
カウンターに座る前のホッと一息つける空間、誰に対しても変わ
らないおもてなし、サラッと発するユーモアのある会話、観客が
引き込まれるカウンター越しの演出、電話予約時から素晴らしい
女将さんの応対と心遣い、そして、セオリーを破って更に進化し
続ける、鮨というジャンルを超えたところ=「生命の恵み」に
答えを探し続ける航海。
これが私が初音鮨を愛する理由である。
〈2015年9月再訪〉
初音鮨でなければ味わえない鮨がある。鱧に玉子は前回も頂いた
が、今日は松茸までも。白烏賊とばちこがどうしてこんなに合う
のか。こんなに生命力の強い伊勢海老は、これから何回食べられ
るだろう。甘みが強く身がぷりぷりで、今にもはじけそうなのだ。
牡蠣のにぎりが、いくらのにぎりが秀逸。漬の技術は計り知れず。
鮪の全部を入れた巻物に圧巻。
〈2015年8月〉
私の記憶では、漁師が魚を釣り上げた時、人間の手にのせた魚は
火傷を負っているのと同じだという。
大将曰く、鮪の平熱は28℃。その体温に合わせてシャリの温度を
調整する。お店に入ると先ず、シャリが用意されていて、握る前の
シャリをお客に食べさせる。シャリは、厳選された酒粕をじっくり
熟成させた赤酢を用いていて、まろやかで美味、香りが断然違う。
シャリが熱いうちはもちろん尖っている。そこに空気を含ませて、
熱を冷まし、徐々に鮪の平熱に合わせて握っていく。
衝撃は入店と同時にやって来て、どのネタに対しても、ガリに至る
まで止まない。究極という衝撃。
喜劇の初まりは佐島の蛸。夏は蛸の美味しい季節だが、地蛸の香りの
良さは別格。私は、眼を閉じて蛸本来の香りを噛み締めていた。星鰈
は身と肝を一緒に握る。こんな体験初めてで、鰈の美味しさをすべて
凝縮しているような握り。砂糖を使わない生姜は辛味が嫌味なく病み
付きになる味わい。あおり烏賊の甘みと旨味に日本料理顔負けの鱧と、
どっしりと身の詰まった調理前の鮎は西瓜の香り。鱧はその場で骨切
りされる。5日間熟成させた鯵に、蝦夷馬糞雲丹と北紫雲丹を半熟に
焼いたものは、その極限の旨味を引き出すための技であろう。天然
の車海老は何故これ程に美味しいのか...鮪の赤身の漬から、脂ののっ
たものへ夏のオールスターのパレードは、最高に香ばしい海苔の香り
と中トロの巻物で〆に。
独創の世界観と喜劇。
(※喜劇が「観客を笑わせながら、人生の真実面を表す劇」であるなら、
ここで喩える喜劇は、「大将が観客を笑わせながら、海の幸の真実面
を表す劇」となる)
これ以上の鮨に出逢える気がしない。